2004年11月12日
川俣晶の縁側ソフトウェア技術雑記 total 7366 count

パソコンでハートマーク(♥)を扱うということ

Written By: 川俣 晶連絡先

 昔々、パソコンの画面にハートマークを表示するのはたやすいことでした。

 フォント、というか、キャラクタージェネレータにトランプの4種類の記号が入っているのは、いわばパソコンの定番であって、少なくともホビー用パソコンではそれが使えないというのは考えられないことでした。(PC-8001もMZ-80Kも、みなサポートしていた)

 しかし、パソコンが漢字の表示能力を獲得した時、シフトJISという大発明によってハートマークがコード化されていた領域は強引に割り込んできた漢字によって占拠され、代替手段も講じられませんでした。

 それ以後、あまりに長い間、多くの日本のパソコンでハートマークが表示できない時代が続きました。

 そして、ハートマークを書くべき場所に、「(ハート)」などと文字で書くような情けない状況が続いていました。

見よ、我々はハートマークを取り戻した §

 ついさっき書いたコンテンツですが、この書籍のタイトルにはハートマークが含まれます。

 これを書くにあたって、一瞬、またハートマークかよ、と恐れを感じました。しかし、すぐに考え直しました。完全なUnicode対応アプリケーションであり、UTF-8でコンテンツを返送するMagSite1では、ハートマークを恐れる必要など無いはずです。つまり、直接書き込めるということです。

 ATOKの文字パレットのUnicode表からハートマーク(U+2665)を拾って書き込んでみました。

 すると、問題なく書き込んで表示できるではありませんか。(ただし、ハートマークのフォントを持っていない読者は見えません)

 かつて当たり前に使えていた文字が、長いブランクを経て我々のところに戻ってきたことを実感した一瞬でした。

しかし、安心するのは早かった…… §

 MagSite1でも、i-mode HTMLはシフトJISで返送するのでハートマークは表現できません。つまり、"?"記号に化けてしまいます。

 以下のリンクから容易に確認ができます。

 まだまだ前途は多難ですね。